塾業界の裏事情

現役塾講師が綴ります。

塾の正社員は忙しい

大手学習塾の場合、その多くは正規職員講師と専門職講師、事務で校舎拠点の人員を構成します。

正規職員講師はいわゆる正社員雇用を受けている職員です。週5日8時間程度の勤務をし、校舎の運営関わる全般と生徒に関係する業務、授業の三つが主なミッションになります。

一方、専門職講師は生徒に関係する業務と授業の二つを担当し、勤務時間が短く五時間程度。中学生の授業しかない場合は三時間程度となり、パートタイムの雇用になります。授業がない日は勤務なしです。パートタイムなので時給も発生しません。

毎日いない先生、出勤が遅い先生は全部このタイプの雇用の先生です。

さて、話を戻して、正規職員講師の1日のタイムテーブルですが


1400 出勤。社内メールと共有事項を確認

1430 懸案事項等打ち合わせ

1500 配布物作成、セット イベント関連の仕事

1600 掲示物作成、掲示、入塾促進活動

1630 上長、本部への報告事項業務

専門職講師への指示だし

1700 前半授業開始

1900 前半授業終了

1930 後半授業開始

2130 後半授業終了

専門職講師からの報告受け

指示だし、相談

2200 完全退勤


塾によって多少のズレはありますがだいたい、こんなものです。仕事の仕方も人それぞれですがイメージとしては30分刻みの時間の中で2~3個の仕事を片付けるような感じです。

各拠点に責任者を含めて2~3人しか正規職員講師は配置されないので、みんな何かしらの仕事を抱えて走り回ってます。

また、全員が担当の顧客を抱えているので、保護者から電話で相談があったり、急に来訪があると、業務の予定はすべてストップします。

昨今は塾のブラック問題や働き方改革の風潮によって定時退勤を義務化している塾も増えていますので、安易に残業ができなくなっています。

自分が正規職員だった際は10時に出社してたまった仕事を片付けるようにしていました。

もちろん残業代はでません。

この辺の事情を理解した上でうまく講師を使うことが塾の利用の第一歩かなと思います。

相談したいことがあるのなら事前に約束をして面談をするという方法がいいと思います。

「先生ちょっと聞いてくださいよ~」といった電話が度重なるとその先生はどんどん疲弊します。

疲弊した場合、どこに皺寄せが行くのか。大抵は授業準備の時間を削り始めます。そうです。タイムテーブルの中に授業準備の時間がないんです。塾講師は授業準備は勤務時間外でやるのが通例です。

通勤時間にもよりますが私は23時ごろ帰宅し、夕食をとり24時から4時まで授業の準備を行い、風呂に入り5時頃就寝。12時に起床し、身支度を整えて出勤というサイクルで通常は生活していました。

仕事がたまった場合は睡眠時間を削って8時に起きるようにしていましたが、同僚の様子を見ていると「仕事がたまってて授業の準備がほとんどできていない」ということを言う人が多かったです。

結構暇そうで忙しいのが塾講師です。まずは自分の担当の講師について理解を深めていくと受験もうまくと思います。